─ CONTENTS ─ コンテンツ一覧

KINDLE BOOK

藤原 誠一 著『受験・学校選び』Kindle版 書影

受験・学校選び

元教室長が教える
後悔しない塾の決め方

Kindle版/2026年4月刊

Amazonで詳細を見る

高校受験 神奈川県の内申点はいつの成績?135点満点の計算方法を元教室長が解説

神奈川県公立高校入試の内申点と内申書を解説するインフォグラフィック|135点満点の計算方法・いつの成績・合格発表を元教室長・藤原 誠一が解説

この記事のまとめ

  • 神奈川県の内申点は、中2と中3の9教科の評定(5段階)を点数化したもので、中2が45点、中3はその2倍で90点、合計135点満点です
  • 使われるのは中2の学年末と中3の12月末(2学期制は後期)の評定。中3の成績が2倍に重みづけされます
  • 内申書(調査書)には、9教科の評定(学習の記録)のほか、出欠の記録・特別活動の記録・行動の記録が記載されます
  • 内申点・学力検査・特色検査をそれぞれ100点満点に換算し、志望校ごとに定められた比率で合算します。内申の重みは志望校で異なります
  • 公立高校入試(共通選抜)は、例年1月下旬に出願、2月中旬に学力検査、2月下旬に合格発表という日程で進みます
  • 中2の内申を軽視して中3で挽回しようとするご家庭が多いものの、中2も最終135点の3分の1を占めます。中2の早い段階からの積み上げが効きます

「内申点はいつの成績が使われるのですか」「内申書には何が書かれるのですか」。神奈川県の高校受験指導に18年間携わってきた中で、私が保護者の方から最も多く受けてきた質問が、この内申制度に関するものです。神奈川県の公立高校入試は、内申点の仕組みを正しく理解しているかどうかで、中学1年・2年の過ごし方が大きく変わります。それにもかかわらず、制度の全体像が学校から十分に説明される機会は意外なほど少ないものです。

本記事では、神奈川県の内申制度を、内申点の計算方法から内申書(調査書)の中身、内申・当日点・特色検査のバランス、そして出願から合格発表までのスケジュールまで、現場で18年間お子さまと保護者の方に説明してきた順序で整理して解説します。制度を正しく理解し、お子さまの学習計画を立てる土台としてお役立てください。

出典:アジア進学教育研究センター 認定アドバイザー紹介(藤原 誠一)

神奈川県の内申点とは?135点満点の仕組み

答え:神奈川県の内申点は、中学2年と中学3年の9教科の評定(5段階)を点数化したものです。中2の9教科で45点、中3の9教科を2倍して90点、合計135点満点で評価されます。

神奈川県の公立高校入試では、中学校での成績を点数化した「内申点(調査書点)」が、入試当日の学力検査とあわせて合否判定に使われます。内申点は、9教科それぞれの5段階評定を合計して算出します。中2は9教科の評定をそのまま合計するため最大45点(9教科×5)、中3は同じ45点満点を2倍して最大90点(9教科×5×2)となり、両者を合わせた135点満点が神奈川県の内申点です。

内申点を構成する9教科

内申点に使われる9教科は、国語・社会・数学・理科・英語の主要5教科に、音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科を加えたものです。神奈川県では、主要5教科だけでなく実技4教科も同じ5段階評定で内申点に算入されます。つまり、実技教科の評定が低いと、主要教科でカバーするには倍の労力が必要になります。実技教科を軽く見ないことが、内申点を安定させる第一歩です。

第1次選考・第2次選考での内申点の使われ方

神奈川県の共通選抜は、第1次選考と第2次選考の二段階で合否を判定します。第1次選考では募集定員の90%が選ばれ、内申点・学力検査・特色検査(実施校のみ)を各校の比率で合算した数値で順位づけされます。第2次選考では残る10%が選ばれ、ここでは内申点(評定)は使われず、学力検査・特色検査に加えて、中3の「主体的に学習に取り組む態度」の観点別評価が数値化されて資料になります。内申点そのものが直接効くのは第1次選考であると理解しておくと、戦略が立てやすくなります。

内申点はいつの成績が使われる?

答え:神奈川県の内申点に使われるのは、中学2年の学年末と、中学3年の12月末時点(3学期制は2学期、2学期制は後期)の9教科の評定です。中3の評定は2倍に換算されます。

「内申点はいつの成績で決まるのか」は、学習計画を立てるうえで最も重要なポイントです。神奈川県では、中2は学年末(1年間の総合評価)の評定が、中3は受験直前の12月末時点の評定が使われます。中1の成績は内申点には直接含まれませんが、中1の学習内容が中2・中3の評定の土台になるため、無関係ではありません。

対象となる時期と倍率

対象時期と倍率を整理すると、次のとおりです。

内申点に使われる成績の時期と倍率
学年 対象となる時期 倍率 満点
中学2年 学年末の評定 ×1 45点
中学3年 12月末時点の評定(2学期制は後期) ×2 90点
合計 135点

中2の成績が軽視されがちな理由

現場で長く指導してきて感じるのは、「内申は中3だけ」「中2の成績は受験に関係ない」と誤解しているご家庭が非常に多いことです。実際には、中2の学年末評定は内申点135点のうち45点、つまり全体の3分の1を占めます。中2の段階で評定を落としてしまうと、中3で2倍の重みがあるとはいえ、最初から3分の1の配点でビハインドを抱えて受験に臨むことになります。逆に、中2のうちから定期テストと提出物を計画的に積み上げておけば、中3は志望校別の学力対策に集中できます。内申点の対策は、中2の早い段階から始めるほど楽になります。

通塾を始める時期そのものについては、学年別の通塾開始タイミングで詳しく解説しています。

内申書(調査書)には何が書かれる?

答え:内申書(調査書)は中学校が作成する公式書類で、9教科の評定(学習の記録)のほか、出欠の記録、特別活動の記録、行動の記録などが記載されます。合否に直接かかわるのは主に学習の記録です。

「内申書」は正式には「調査書」と呼ばれ、出願時に中学校が作成して高校へ提出する公式書類です。受験生本人が直接記入するものではなく、中学校の先生が学校での記録に基づいて作成します。内申点(評定)はこの調査書に記載される情報の一部であり、調査書にはそれ以外にもいくつかの記録が含まれます。

合否にかかわる「学習の記録」

調査書の中で合否に直接かかわるのは「学習の記録」、すなわち9教科の評定です。前述のとおり、中2の学年末と中3の12月末時点の評定が点数化され、135点満点の内申点として第1次選考で使われます。神奈川県では、この学習の記録が選考の数値資料の中心になります。

評定以外に記載される項目

調査書には、学習の記録のほかに、出欠の記録、特別活動の記録(生徒会・委員会・部活動など)、行動の記録などが記載されます。これらは選考の数値に直接算入されるものではありませんが、書類として高校に伝わる情報です。出欠については、極端な欠席が続く場合に備えて、欠席の理由を学校と共有しておくと安心です。

「内申書に書かれると不利」という誤解

保護者の方からよく受けるのが、「授業で一度注意されたことが内申書に書かれて不利になるのではないか」という心配です。実際には、調査書の中心は学習の記録(評定)であり、選考の数値を左右するのは評定です。日常のささいな出来事が合否を直接左右するわけではありません。過度に心配して萎縮するよりも、評定に直結する定期テスト・提出物・授業中の取り組みに力を向けるほうが、内申点の改善にはるかに効果的です。

内申点・当日点・特色検査のバランス

答え:神奈川県では、内申点(135点)・学力検査(500点)・特色検査(100点)をそれぞれ100点満点に換算し、志望校ごとに定められた比率で合算します。内申点の重みは志望校によって異なります。

神奈川県の第1次選考では、内申点・学力検査・特色検査をそのまま足すのではなく、それぞれを100点満点に換算したうえで、各校が定めた比率を掛けて合計します。内申点と学力検査の比率は合計が10になるように設定され、特色検査を実施する高校では特色検査の比率が加わります。この比率が志望校によって違うため、同じ内申点・同じ当日点でも、志望校が変われば合否ラインに対する立ち位置が変わります。

志望校で変わる内申の重み

代表的な上位校の第1次選考の比率(内申:学力検査:特色検査)を見てみましょう。

主な上位校の第1次選考の比率(内申:学力検査:特色検査)
志望校 内申 学力検査 特色検査 内申の重み
横浜翠嵐 3 7 3 相対的に低い(当日点重視)
湘南 4 6 2 翠嵐よりやや高い
多くの中堅上位校 4〜5 6〜5 0(実施校以外) 相対的に高い

横浜翠嵐のように内申:学力=3:7の高校では、当日の学力検査の比重が大きく、内申点で多少の差があっても当日点で逆転できる余地があります。一方、内申:学力=4:6や5:5の高校では内申点の重みが増し、中2からの積み上げがより直接的に効いてきます。志望校の比率を早めに確認し、内申点と当日点のどちらにより力を配分すべきかを見極めることが重要です。この内申・当日点・特色検査のバランスをどう設計するかについては、拙著『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』でも一章を割いて解説しています。

志望校別の入試特性や対策の方向性は、横浜翠嵐を志望する場合の塾選びと入試特性でも具体的に取り上げています。また、内申対策に強い塾の選び方は神奈川県の主要な塾の類型と選び方が参考になります。

出願から合格発表までのスケジュール

答え:神奈川県の公立高校入試(共通選抜)は、例年1月下旬に出願、2月上旬に志願変更、2月中旬に学力検査・特色検査、2月下旬に合格発表という日程で進みます。

神奈川県の公立高校入試は、2月中旬に実施される共通選抜の1回のみで、別日程の推薦選抜はありません。出願から合格発表までの流れは、例年おおむね次のステップで進みます。

STEP 1

出願(例年1月下旬)

インターネット出願で、志願する1校・1学科に出願します。出願後、各校・各学科の志願倍率が発表されます。

STEP 2

志願変更(例年2月上旬)

発表された倍率を見て、1回に限り志願先を変更できます。倍率と合格可能性を見比べて最終判断を行う期間です。

STEP 3

学力検査・特色検査・面接(例年2月中旬)

5教科の学力検査が実施されます。特色検査を行う高校では、学力検査の前後の日程で特色検査・面接が実施されます。

STEP 4

追検査(例年2月下旬)

インフルエンザ等のやむを得ない事情で学力検査を受けられなかった受検者を対象に、追検査が実施されます。

STEP 5

合格発表(例年2月下旬)

学力検査の約10日後に合格発表が行われます。近年はインターネットでの発表も併用されています。

STEP 6

二次募集(欠員校のみ・例年3月)

合格発表後に欠員が生じた高校で実施されます。出願・学力検査・合格発表が3月に行われます。

具体的な日付は年度ごとに前後します。出願期間・学力検査日・合格発表日などの最新の日程と、各校の選考基準は、神奈川県教育委員会の公立高等学校入学者選抜のページで必ず確認してください。

内申点を上げるために塾をどう活用するか

答え:内申点を上げるには、定期テスト・提出物・授業中の取り組みの3点を計画的に積み上げることが基本です。塾は、定期テスト対策と学習管理の面で活用できます。

内申点は、定期テストの得点に加え、提出物や授業中の取り組みが日々の評定に反映される「積み上げ型」の評価です。したがって内申点を上げるには、特定の時期に集中して頑張るのではなく、中2の早い段階から定期テストと提出物を計画的にこなす習慣をつけることが何より重要です。現場で内申点を着実に伸ばしてきたご家庭に共通するのは、定期テスト2週間前からの計画的な準備と、提出物を期限内に質を保って出す習慣が定着していた点です。

内申対策で塾を選ぶときの観点

内申点対策の観点から塾を選ぶ場合は、次の点を確認するとよいでしょう。第一に、通っている中学校の定期テスト範囲に対応した対策(学校別の定期テスト対策)があるか。第二に、提出物やノートづくりまで含めた学習管理のサポートがあるか。第三に、お子さまが自分で学習を進められる「自走型」か、伴走が必要な「伴走型」かによって、集団指導と個別指導のどちらが向くかが変わる点です。

たとえば、神奈川県内で広く展開する集団指導塾の臨海セミナーは、学校別の定期テスト対策講座を設けるなど、内申点に直結する定期テスト対策に取り組んでいる塾の一例です。集団指導が合うか個別指導が合うかはお子さまのタイプによるため、複数の塾の特徴を比較したうえで判断することをおすすめします。塾の類型ごとの特徴と選び方は、神奈川県の主要な塾の類型と選び方で詳しく整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 神奈川県の内申点はいつの成績が使われますか?

神奈川県の内申点に使われるのは、中2の学年末と中3の12月末時点(2学期制は後期)の9教科の評定です。中3の評定は2倍で計算され、合計135点満点となります。中1の成績は内申点には直接含まれません。

Q. 神奈川県の内申点は何点満点ですか?

神奈川県の内申点は135点満点です。中2の9教科を5段階評定で合計して45点、中3の9教科を5段階評定で合計し2倍して90点、これらを足した135点が内申点になります。

Q. 内申書(調査書)にはどんなことが書かれますか?

内申書(調査書)には、9教科の評定(学習の記録)のほか、出欠の記録、特別活動の記録、行動の記録などが記載されます。合否の数値に直接かかわるのは主に学習の記録(評定)です。

Q. 神奈川県の公立高校の合格発表はいつですか?

神奈川県の公立高校(共通選抜)の合格発表は、例年2月下旬に行われます。学力検査が2月中旬、その約10日後に合格発表というのが近年の日程パターンです。正式な日程は神奈川県教育委員会の発表で確認できます。

Q. 中2の内申点が低くても挽回できますか?

挽回は可能です。神奈川県では中3の評定が2倍で計算されるため、中3で評定を1上げると内申点は2上がります。中2で振るわなかった場合も、中3の取り組み次第で取り返せます。ただし中2の評定も135点の3分の1を占めるため、早い段階からの対策が有利です。

まとめ

神奈川県の内申点は、中2と中3の9教科の評定を点数化した135点満点で、中2の学年末と中3の12月末時点の成績が使われます。中3の評定が2倍に重みづけされる一方、中2の評定も全体の3分の1を占めるため、内申点対策は中2の早い段階から始めるのが有利です。内申書(調査書)には評定のほか出欠・特別活動・行動の記録が記載されますが、合否の数値を左右するのは学習の記録(評定)です。

内申点・学力検査・特色検査の比率は志望校ごとに異なり、内申の重みも変わります。志望校の比率を早めに確認し、内申点と当日点のどちらに力を配分すべきかを見極めることが、合格への近道です。出願から合格発表までの日程は年度ごとに前後するため、受験年度の正式な情報は神奈川県教育委員会の発表で確認してください。内申点を軸にした志望校選びと塾選びの全体像については、拙著『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』でも体系的に解説しています。

藤原 誠一

この記事を書いた人

藤原 誠一

日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー

首都圏の大手学習塾で18年間勤務した元教室長。高校受験の進路指導を専門とし、神奈川県の公立上位校への合格指導に豊富な実績を持つ。著書『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』(Kindle、2026年4月刊)。