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藤原 誠一 著『受験・学校選び』Kindle版 書影

受験・学校選び

元教室長が教える
後悔しない塾の決め方

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高校生のオンライン塾のおすすめは?3タイプと4つの確認点

高校生のオンライン塾3タイプの選び方を整理した解説のインフォグラフィック|映像授業・ライブ・個別の違いと4つのチェックを元教室長・藤原 誠一が解説

この記事のまとめ

  • 高校生のオンライン塾は、映像授業型・双方向ライブ型・オンライン個別の3タイプに大きく分かれます。おすすめのタイプは学力ではなく「必要な強制力の量」で決まります
  • 代表的なサービスは、映像授業型ならスタディサプリ、通信添削と映像の組み合わせならZ会、オンライン個別ならトライのオンライン個別指導塾です
  • 対面校舎のサポートも使いたい場合は、臨海セミナーのように映像・個別指導と校舎での学習指導・自習室を併用できる塾が有力な選択肢になります
  • オンライン塾と対面塾は「どちらが上」ではなく使い分けです。通塾時間を学習に回せるのがオンラインの強み、環境の強制力があるのが対面の強みです
  • 失敗しないオンライン塾選びのチェックは4つ。双方向性・質問対応・学習管理・費用を確認すると、続けられるオンライン塾を見極められます
  • 費用は月額ではなく年間総額で比べます。月額2,178円の映像授業型から月2万円台の個別指導まで、価格帯の幅が大きいためです
  • この3タイプ・4チェックの考え方は、中学生が高校受験でオンライン塾を検討する場合にもそのまま当てはまります

高校生のオンライン塾のおすすめタイプは?

答え:高校生のオンライン塾は、映像授業型・双方向ライブ型・オンライン個別の3タイプに大きく分かれます。おすすめのタイプは学習目的で決まり、自分のペースで進めたいなら映像授業型、決まった時間の強制力が欲しいなら双方向ライブ型、苦手の立て直しならオンライン個別が向きます。対面校舎のサポートも使いたい場合は、臨海セミナーのようにオンラインと校舎を併用できる塾が候補になります。

オンライン塾は「オンライン」とひとくくりにされがちですが、中身は指導形態で大きく3つに分かれます。まずこの3タイプの違いを押さえると、サービス名の比較に入る前に「自分にはどのタイプが合うか」を絞り込めます。これは、対面塾を選ぶときに指導形態(集団・個別・映像)から見るのと同じ考え方です。さらに近年は、オンラインだけで完結するサービスに加えて、対面校舎を持つ塾がオンライン受講のコースを用意する「ハイブリッド型」も選べるようになっています。

3タイプ+ハイブリッド型の早見

それぞれの型を、指導の形と「誰に向くか」で整理します。順位ではなく、必要な強制力の量で選び分けてください。

01

映像授業型

録画授業を自分のペースで視聴する形。費用が最も抑えられる一方、進度管理は本人に委ねられます。自分で計画を立てて進められる生徒に向きます。

02

双方向ライブ型

決まった時間にリアルタイムで受講する形。時間が固定される分、生活のリズムに学習が組み込まれます。自宅では気が緩みがちな生徒に向きます。

03

オンライン個別

画面越しに1対1・1対2で指導を受ける形。つまずいた単元まで戻れるため、苦手教科の立て直しや、質問を多くしたい生徒に向きます。

04

ハイブリッド型

オンライン受講と対面校舎を組み合わせる形。進度の確認や質問を人が担うため、オンライン単体で続かなかった生徒の受け皿になります。

高校生のオンライン塾3タイプ+ハイブリッド型の比較
タイプ 指導形態 向いている人 注意点
映像授業型 録画授業を自分のペースで視聴 自走できる・部活で時間が不規則 視聴して満足しがち。演習と進度管理が別途必要
双方向ライブ型 リアルタイムのライブ授業 決まった時間の強制力・緊張感が欲しい 時間が固定される。振替の有無を要確認
オンライン個別 画面越しの1対1・1対2指導 苦手教科の立て直し・質問を多くしたい 講師の質に差が出やすい。相性の見極めが重要
ハイブリッド型 オンライン受講+対面校舎の併用 学習指導・自習室など対面のサポートも使いたい 校舎の展開エリアが限られる。通える範囲かを要確認

高校生の通塾は前提ではない

中学生までと違い、高校生は「塾に通うかどうか」自体が選択肢です。学校の進度が速く、教材も学校指定のものが充実しているため、学校の課題と自分の演習だけで十分に伸びる生徒もいます。オンライン塾を検討する段階で最初に確認すべきなのは、サービスの比較ではなく「いま足りていないのは何か」です。

足りていないものが「授業の理解」なら映像授業型やオンライン個別が効きますが、足りていないものが「勉強に向かう時間そのもの」なら、教材を増やしても解決しません。この場合は時間の強制力がある形態を選ぶか、対面の拠点を持つ塾を検討することになります。

もう一つ、高校生特有の事情として「学校の課題量」があります。進学校ほど日々の課題と小テストが多く、塾の教材まで手が回らないという状態が起こります。この場合、教材を追加するほど消化不良が悪化するため、まず学校の課題を回しきることを優先し、塾には「解説が必要な単元だけ」を任せる設計が有効です。教科を絞れる形態、単元を指定できる形態が候補になります。

逆に、学校の進度が緩やかで入試範囲を自力で先へ進める必要がある場合は、網羅性のある教材と計画の伴走が要件になります。同じ「高校生のオンライン塾」でも、通っている高校の状況によって選ぶべき方向が反対になる点は、中学生の塾選びとの大きな違いです。

オンライン塾を選ぶ前に決める3つのこと

答え:オンライン塾を選ぶ前に決めるのは、目的・自走度・使える時間の3つです。この3つが決まっていれば、サービスを比較する前に候補タイプが1〜2種類まで絞れます。逆にここを決めずに料金や知名度から入ると、契約してから「思っていたものと違う」という結果になりやすくなります。

目的を決める

高校生がオンライン塾に求める目的は、大きく3つに分かれます。定期テストと評定を安定させたいのか、入試に向けた学力そのものを上げたいのか、特定教科のつまずきを立て直したいのかです。

  • 定期テスト・評定を安定させたい:学校の進度と教材に合わせられるかが要件になります。学校準拠の講座があるか、教科書名を指定して学習できるかを確認します
  • 入試に向けた学力を上げたい:単元の網羅性と演習量が要件になります。授業を見るだけで終わらず、演習と添削がセットになっている形が向きます
  • 特定教科のつまずきを立て直したい:戻る学年を選べるかが要件になります。学年をまたいで視聴できる映像授業型か、単元を指定できるオンライン個別が候補です

自走度を判定する

自走度は「勉強ができるか」ではなく「決めたことを、人に見られなくても実行できるか」で測ります。次の3つのうち2つ以上に当てはまるなら、強制力のある形態を優先してください。

  • 学校の課題を締切直前にまとめて片づけることが多い 締切という外圧がなければ動かないタイプは、視聴期限のない映像授業型と相性が悪くなります
  • スマホを触る時間を自分で区切れない 自宅学習では環境そのものが競合します。場所を変える、時間を固定するなどの外部要因が必要です
  • やることリストを自分で作った経験がほとんどない 計画を立てる工程まで塾が担う形態でないと、教材だけあっても進みません

使える時間を出す

部活動の終了時刻、通学時間、学校の課題にかかる時間を差し引いて、平日に確保できる時間を実際に計算します。ここで出た数字が、選べる形態を決めます。平日に確保できるのが30分程度なら、1回の学習単位が短い映像授業型か、週1回の指導で家庭学習を回す形が現実的です。逆に平日90分以上を確保できるなら、ライブ授業や個別指導を組み込む余地があります。

この計算をせずに「週2回コース」を契約すると、通えない日が積み上がって費用だけが残ります。オンラインは通塾時間がゼロになる分、時間の見積もりが甘くなりやすい点に注意してください。

3タイプの違いと代表サービス

答え:オンライン塾の3タイプは、自走力と必要な強制力の量で選び分けます。代表的なサービスは、映像授業型がスタディサプリ、通信添削と映像の組み合わせがZ会、オンライン個別がトライのオンライン個別指導塾です。各タイプの代表例を知ると、比較の基準点が作れます。

タイプごとの違いは、代表的なサービスを1つずつ見ると具体的につかめます。ここでは各タイプの代表例として、映像授業型のスタディサプリ、通信添削×映像型のZ会、オンライン個別のトライのオンライン個別指導塾を取り上げます。費用はいずれも各社公式発表に基づく参考値のため、最新の金額・キャンペーンは各公式サイトで確認してください。

高校生向けオンライン塾 代表4サービスの比較(費用は各社公式発表に基づく参考値・税込)
サービス タイプ 費用の目安 向いている人
スタディサプリ 映像授業型 ベーシックコース 月額2,178円/12か月一括21,780円(月あたり1,815円)・入会金なし 低コストで自分のペースで進めたい
Z会 通信添削×映像型 高1・高2はセット受講が基本/高3・大学受験生は1講座から受講可。プラン・支払い回数で変動 記述・添削で書く力を鍛えたい
トライのオンライン個別指導塾 オンライン個別 入会金11,000円+授業料。高校生は1コマ60分×月4回 21,120円〜 1対1で苦手を立て直したい・質問を多くしたい

映像授業型(スタディサプリ)

映像授業型は、録画された授業を自分のペースで視聴して学ぶタイプです。いつでもどこでも受講でき、部活動などで時間が不規則な高校生には効率的です。代表例のスタディサプリは、ベーシックコース月額2,178円で、プロ講師の映像授業をレベル別・志望校別に視聴できます。入会金・初期費用はかからず、12か月一括払いにすると総額21,780円、月あたり1,815円まで負担を抑えられます。14日間の無料体験も用意されています。

学年に関係なく小1から高3までの講座が視聴できる設計のため、つまずいた単元まで戻る使い方と、先取りする使い方の両方に対応できます。なお、担当コーチがついていた合格特訓コースは2026年3月30日でサービスを終了しており、現在、高校生が選べるのはベーシックコースのみです。映像授業の中身は変わりませんが、学習計画の作成やチャット相談といった伴走機能は含まれない前提で検討してください。

視聴しただけで理解した気になりやすく、演習や進度管理が別途必要になるのは映像授業型共通の注意点です。低価格である分、進度管理は基本的に自分で行う設計のため、自分で計画を立てて進められる、自走力のある生徒に向いています。

通信添削×映像型(Z会)

決まった時間にライブ授業を受ける双方向ライブ型と並んで、高校生の在宅学習で存在感が大きいのが、通信添削と映像を組み合わせたタイプです。代表例のZ会は、記述式の課題をプロの添削で往復させる学習が核で、志望大レベル別のコース設定がなされています。難関大志望者の記述力養成に強く、思考して書く訓練を重ねたい生徒に向いています。

受講の単位には学年による違いがあります。高3・大学受験生向けは講座単位で選べる一方、高1・高2は科目セットでの受講が基本です。「英語だけ受けたい」という使い方ができるかどうかは学年で変わるため、申し込み前に必ず公式サイトで現行の受講単位を確認してください。料金も受講プラン・科目数・支払い回数で変わります。

注意点は、添削の往復を軸とする学習スタイルのため、提出を続ける計画性が必要になることです。提出という締切が学習管理として機能する一方、締切を守れないと教材が溜まります。リアルタイムの強制力が欲しい場合は、ライブ授業を行うサービスや、この後で紹介する対面併用型を検討します。

オンライン個別(トライのオンライン個別指導塾)

オンライン個別は、自宅にいながら画面越しに1対1または1対2の指導を受けるタイプです。苦手教科の立て直しや、つまずいた単元に戻った指導に向いており、質問を多くしたい生徒に適しています。代表例のトライのオンライン個別指導塾は完全マンツーマン指導で、入会金11,000円以外の登録料・初期費用はかかりません。授業料は学年・受講科目・週の授業回数で決まり、高校生は1コマ60分×月4回で21,120円からが公式に示された目安です。

付帯サービスも判断材料になります。教師の交代は何度でも無料、授業の振替は前日22時まで受付、教材の強制購入なし、学習の進捗を保護者が確認できるアプリ、専任の教育プランナーによる面談などが授業料に含まれています。オンライン個別は「講師との相性」が成果を左右するため、交代が無料である点は実務上大きい要素です。

注意点は、授業料がオーダーメイド制で総額が事前に見えにくいことです。見積もりを取って、季節講習やオプション講座まで含めた年間ベースで確認してください。

対面校舎とオンラインを併用できる臨海セミナー

答え:臨海セミナーは、自宅での映像学習や個別指導と、対面校舎での学習指導・自習室・面談を併用できるハイブリッド型の塾です。オンラインの効率と対面の強制力を両取りしたい高校生に向いており、オンライン専業サービスにはない選択肢になります。

ここまで紹介したオンライン専業のサービスに対して、対面校舎を持つ塾がオンライン・映像の受講形態を用意しているのが臨海セミナーです。神奈川・東京・千葉・埼玉・大阪に校舎を展開する集団指導塾で、高校生向けには次のような形態があります。

映像ゼミ(大学受験科)

映像ゼミは、自宅のPC・スマートフォンで映像授業を進めながら、週1回40分、校舎に来てT.A.(ティーチングアシスタント)による学習指導を受ける形態です。来塾してタブレットで視聴することもできます。部活動が忙しい、通塾予定が合わないという事情があっても学習を進められる設計になっています。

設置講座は英語・数学・国語・理科・社会・情報の6教科で、全学年共通です。1教科パック・3教科パック・6教科パックから選んで受講します。通常期の月額授業料は1教科パックが高1・高2で9,900円、高3で11,000円(いずれも税込)で、複数教科をまとめると割引が適用されます。別途、維持費とテキスト代が必要です。講習時は料金が異なります。

運用面では、通常の対面(集団)授業との併用が可能で、年度途中でのコース切り替えにも対応しています。またT.A.による補習と自習室は、追加料金なくいつでも利用できます。「まず映像で始めて、必要になったら対面に切り替える」という進め方ができる点が、オンライン専業サービスとの構造的な違いです。

40分/週

T.A.による対面の
学習指導

6教科

英語・数学・国語
理科・社会・情報

3パック

1教科・3教科・6教科
から選択

0

T.A.補習・自習室の
追加料金

個別指導 臨海セレクト

教科を絞って個別に見てもらいたい場合は、同じ臨海グループの個別指導 臨海セレクトが選択肢になります。講師1名に対して生徒2名の個別授業と、間違えた問題を繰り返して定着させる学習プログラム「臨海TSP」を組み合わせた形式です。

高校生の単科(個別授業+TSP/英語・数学)は1科目100分・週1コマで、高1が19,400円、高2が19,650円、高3が19,900円(いずれも月額・税込)です。英数を個別授業、理社国を映像授業で受ける「ミックスコース」や、全科目を映像授業で受けるパックも用意されており、教科ごとに指導の濃さを変えられます。別途、教材費がかかります。

校舎という拠点をそのまま使える

オンライン専業サービスとの最大の違いは、校舎という対面の拠点をそのまま使えることです。映像で学びながら週1回はT.A.に質問して理解を確かめる、模試や面談は校舎で受けて進路相談につなげる、集中したい日は自習室を使う——というように、オンラインの効率と対面の強制力・伴走を組み合わせられます。前章の3タイプで言えば、映像授業型とオンライン個別の弱点(進度管理と孤立)を、対面の仕組みで補う設計です。

もう一点、進路情報の扱いにも差が出ます。オンライン専業サービスは全国の生徒を対象とするため、情報も全国共通の粒度になります。対面校舎を持つ塾は、地域の高校・大学の受験動向を教室単位で持っているため、面談で具体的な話が出てきやすくなります。学力の底上げは全国共通の教材で足りても、進路の判断は地域の情報が要る——この非対称性を理解しておくと、併用型を選ぶ意味が分かりやすくなります。

注意点は、校舎の展開エリアが限られることです。校舎のサポートを活かすには通える範囲に教室がある必要があるため、全国どこからでも同じ条件で使えるオンライン専業サービスとは前提が異なります。逆に言えば、神奈川・東京など展開エリアの高校生にとっては、オンライン専業にはない併用の選択肢が近くにあることになります。

オンライン塾と対面塾の使い分け

答え:オンライン塾と対面塾は「どちらが優れているか」ではなく使い分けです。通塾時間を学習に回せて場所を選ばないのがオンラインの強み、通うこと自体が学習環境の強制力になるのが対面の強みで、生活スタイルと自走力で選びます。

オンライン塾の最大の利点は、通塾時間がゼロになり、その分を学習や睡眠に回せることです。近くに希望の塾がない地域でも、質の高い授業を受けられます。移動がないため、部活動の終了が遅い日でも学習を組み込めます。

一方、対面塾は「教室に通う」という行動そのものが学習のリズムと強制力を生みます。自宅だと集中できないタイプには、対面の環境の力が効きます。加えて、質問がその場で解決すること、同じ目標の生徒が見えることも、対面が持つ機能です。

併用する場合の設計は、教科ではなく「役割」で分けると整理できます。理解のインプットはオンライン、演習の管理と進路相談は対面、という分け方です。教科ごとに塾を分けると時間割が破綻しやすい一方、役割で分けるなら学習の流れは1本のまま保てます。

二者択一で考える必要はありません。スタディサプリのような映像授業型を学校の予習・復習に使いながら受験対策は対面塾で行う、あるいは臨海セミナーのように1つの塾の中でオンラインと対面を組み合わせる、という中間の選び方もあります。大切なのは、週の生活時間割の中に「人に進み具合を見てもらう接点」がどこかに確保されているかどうかです。

選び方の軸は、対面塾を選ぶときと共通です。指導形態・費用・続けやすさといった判断軸で比べると整理しやすくなります。塾選び全体の判断軸は塾選びの6つの判断軸の記事で、志望校からの逆算の考え方は藤原メソッドの記事で解説しています。神奈川で対面の集団塾・個別塾を比較したい場合は神奈川で高校受験に強い塾の記事を参照してください。

失敗しないオンライン塾の選び方

答え:失敗しないオンライン塾選びのチェックポイントは、双方向性・質問対応・学習管理・費用の4つです。タイプを絞ったら、この4点を体験授業や資料で確認すると、続けられるオンライン塾を見極められます。

タイプを決めたあとは、具体的なサービスを次の4点で比べます。いずれも公式サイトの表示だけでは判断しきれないため、体験や問い合わせで実際の運用を確かめてください。

  • 双方向性 質問やフィードバックがどれだけ双方向に行えるか。映像授業型でも質問窓口があるかを確認します。低価格の映像授業型は、双方向性を割り切る代わりに費用を抑える設計だと理解して選びます
  • 質問対応 分からないときに、いつ・どの手段で・どのくらいの速さで質問できるか。オンラインでは質問のしやすさが挫折率を大きく左右します。1対1型はその場で解決でき、映像に週1回の対面指導を組み合わせる設計もあります
  • 学習管理 進度の管理・声かけ・面談などのサポートがあるか。添削の往復や面談のように「提出・報告の締切」がある仕組みは、それ自体が学習管理として機能します
  • 費用 月額だけでなく、教材費・維持費・オプション講座・入会金まで含めた総額で比較します。価格帯の幅が大きいため、対面塾と同じく年間ベースで比べます

オンライン塾でつまずく4つのパターンと回避策

答え:オンライン塾でつまずくのは、視聴が溜まる・質問しないまま進む・演習をしない・契約したコマを消化できない、の4パターンです。いずれも教材の質ではなく運用の問題で起きるため、申し込み時点の設計で回避できます。

つまずき1:視聴が溜まって追いつかなくなる

映像授業型で最も多いパターンです。1週間見なかった分が翌週に上乗せされ、2週間で「もう追いつけない」状態になります。原因は意志の弱さではなく、視聴に締切がないことです。回避策は、視聴の締切を家庭側で作ることです。曜日と時間を固定する、週末に確認する時間を設けるなど、外から締切を与える仕組みを最初に決めてください。

つまずき2:質問しないまま先へ進む

画面越しでは「ちょっといいですか」が言いにくく、分からない箇所を飛ばしたまま進みがちです。飛ばした単元は後の単元で必ず効いてきます。回避策は、質問の手段と頻度を先に決めることです。週に1回は必ず質問を出すと決める、質問フォームの使い方を初回に確認しておくといった運用を入れます。

つまずき3:授業は受けるが演習をしない

オンラインは受講の記録が残るため、学習した気になりやすい形態です。しかし成績を動かすのは、自分で解いた量です。回避策は、受講時間と演習時間をセットで確保することです。授業40分に対して演習40分といったように、時間割の段階で演習を組み込みます。

つまずき4:契約したコマを消化できない

個別指導型で起きます。部活動や学校行事で受講できない日が続き、費用だけが発生します。回避策は、契約前に振替の条件を確認することです。振替の受付期限、月内で消化できなかった場合の扱い、コマ数変更の可否を、申し込み前に必ず書面で確認してください。

費用は月額ではなく年間総額で比べる

答え:オンライン塾の費用は、月額ではなく年間総額で比べます。月額2,178円の映像授業型から、月2万円台の個別指導まで価格帯の幅が大きく、さらに入会金・教材費・維持費・季節講習が加わるためです。月額だけで比べると、実際の負担額が数倍違うことがあります。

年間総額を出すときは、月額授業料に加えて次の項目を必ず足し込みます。入会金(初年度のみ)、教材費、維持費・システム費、季節講習の追加費用、オプション講座です。オンライン専業サービスは教材費が不要な場合がある一方、対面校舎を併用する形態では維持費とテキスト代が別途かかるのが一般的です。

価格帯の目安を整理すると、映像授業型は年間2万円台から、通信添削型は受講科目数によって年間十数万円規模、オンライン個別は週1回でも年間25万円前後、対面併用の映像形態はその中間に位置します。同じ「オンライン塾」でも、10倍以上の開きがあることになります。

年間の授業料を単純計算した比較(各社公式発表の月額をもとに算出・税込/教材費・維持費・季節講習は含まない)
形態・プラン 月額の目安 授業料の年額 初年度の入会金
映像授業型(12か月一括) 月あたり1,815円 21,780円 なし
対面併用の映像(3教科・高1高2) 18,700円 224,400円 教室に確認
個別指導(1科目100分・週1・高1) 19,400円 232,800円 教室に確認
オンライン個別(60分×月4回・高校生) 21,120円〜 253,440円〜 11,000円

同じ「オンライン塾」でも、授業料だけで年間21,780円から26万円超まで、12倍前後の開きがあることになります。ただしこの表は授業料の単純計算で、教材費・維持費・季節講習は含まれていません。実際の負担はこれより増えるため、見積もりは必ず各社から取ってください。金額の差はサービスの優劣ではなく、人が関与する量の差です。安い形態を選ぶなら、その分の進度管理を家庭が担う前提になります。

費用を判断材料に加えるときは、対面塾の相場と並べて見るのが実務的です。高校生の塾費用を形態別に比べたい場合は、高校生の塾代の相場をまとめた記事が参考になります。

中学生が高校受験でオンライン塾を検討する場合

答え:高校受験を目指す中学生でもオンライン塾は使えます。3タイプと4チェックという選び方はそのまま当てはまり、双方向個別指導で高校受験対策を進められるオンライン受講の仕組みもあります。ただし内申・特色検査の対策は地域データが重要なため、県内の入試情報を持つ塾のオンライン受講か、対面塾との併用を検討します。

ここまでは高校生を前提に整理してきましたが、中学生の保護者の方が「高校進学後を見据えて、いま何を選んでおくべきか」を考える材料としても使えます。中学生の段階でオンラインを検討する場合と、高校進学後に検討する場合とでは、要件が変わる部分と変わらない部分があります。

3タイプ・4チェックはそのまま当てはまる

指導形態を3タイプで整理する考え方も、双方向性・質問対応・学習管理・費用の4点で比べる方法も、学年を問わず有効です。中学生の場合は特に、自走度の判定を厳しめに見てください。中学生は高校生に比べて自分で計画を立てた経験が少なく、映像授業型を単独で選ぶと視聴が溜まる確率が上がります。

臨海セミナーには、双方向個別指導をメインとしたオンライン受講の仕組みがあり、特色検査対策や、上位校の入試で差がつきやすい理社の指導もオンラインで受けられます。中学生でオンラインを検討する場合は、映像を見るだけの形態か、人が介在する双方向の形態かを最初に切り分けてください。

神奈川の内申・特色検査で気をつけること

神奈川県の公立高校入試は、調査書の評定(内申)と当日の学力検査、学校によっては特色検査の組み合わせで合否が決まります。このうち内申の対策は、通っている中学校の定期テストの傾向と、学校ごとの評定の付き方に左右されます。全国共通の教材だけでは対応しきれない領域です。

したがって中学生がオンラインを選ぶ場合は、次の2点を確認してください。1つは、通っている中学校の教科書・進度に合わせた学習ができるか。もう1つは、神奈川県の入試制度と各校の選抜比率を踏まえた進路指導を受けられるかです。この2点が満たせない場合は、オンラインを学力の底上げに使い、内申と進路の相談は地域の対面塾に持つ、という分担が現実的です。

そもそも塾に通うべきかを含めて検討したい場合は中学生に塾は必要かを検証した記事を、通い始める時期の判断は塾はいつから通うべきかの記事を参照してください。

高校進学後に学習形態はどう変わるか

高校に入ると、学習の前提が3つ変わります。1つ目は、学校の進度が速くなり、復習が追いつかないと一気に離されること。2つ目は、通学時間が延びて平日に使える時間が減ること。3つ目は、評定が推薦・総合型選抜に直結するため、定期テストの重みが増すことです。

加えて、高校では通っている高校ごとに進度と教材が大きく異なるため、中学までのように「地域の中学に対応した塾」という選び方が成立しにくくなります。学校別の対応を求めるほど個別性が高くなり、費用も上がる構造です。この点も、高校生でオンラインや個別指導の比率が上がる理由の一つです。

この3つの変化は、いずれもオンラインの利点と噛み合います。移動時間がない、学年をまたいで戻れる、時間を選ばない、という特性が効いてくるためです。中学生の段階では対面の集団塾で学習習慣と基礎を作り、高校進学後にオンラインを組み込む、という設計は理にかなっています。逆に、中学生のうちからオンライン単体で進めてきた場合は、高校で進度が上がったときに一人で立て直せるかを早めに点検してください。

申し込み前に確認する手順

答え:オンライン塾の申し込み前に踏む手順は5つです。目的と使える時間を書き出し、タイプを2つ以内に絞り、無料体験を申し込み、体験中に質問対応を試し、年間総額の見積もりを取ってから決めます。この順で進めると、契約後のミスマッチをほぼ防げます。
1

目的と使える時間を紙に書き出す

定期テスト対策か、入試に向けた学力か、苦手の立て直しか。平日に確保できる時間は何分か。この2つが決まらないうちはサービスを見ません。

2

タイプを2つ以内に絞る

自走度の判定結果と照らして、映像授業型・双方向ライブ型・オンライン個別・ハイブリッド型から候補を2つ以内にします。ここで絞らないと比較が発散します。

3

無料体験を申し込む

各社が無料体験や体験授業を用意しています。同時期に2社受けると、画面の使い勝手や講師の説明の違いが比較できます。

4

体験中に質問を1つ投げる

実際に分からない問題を1つ質問し、返答までの速さと分かりやすさを確かめます。ここが遅いサービスは、授業の質にかかわらず続きにくくなります。

5

年間総額の見積もりを取る

入会金・教材費・維持費・季節講習・オプションを含めた年間総額を、書面で出してもらいます。振替の条件とコマ数変更の可否も、この段階で確認します。

よくある質問

Q. 高校生のオンライン塾はどう選べばいいですか?

高校生のオンライン塾は、まず映像授業型・双方向ライブ型・オンライン個別の3タイプから、自分の目的に合うものを選びます。代表例は映像授業型ならスタディサプリ、添削重視ならZ会、オンライン個別ならトライのオンライン個別指導塾で、対面校舎と併用したい場合は臨海セミナーのようなハイブリッド型が候補です。タイプを絞ったら、双方向性・質問対応・学習管理・費用の4点で比較します。

Q. オンライン塾と対面塾はどちらがおすすめですか?

オンライン塾と対面塾は、どちらがおすすめかは生活スタイルと自走力で決まります。通塾時間を学習に回したい・近くに希望の塾がない場合はオンライン、自宅だと集中できず環境の強制力が必要な場合は対面が向きます。臨海セミナーのように1つの塾でオンライン受講と対面校舎を併用できる形態もあり、二者択一ではなく組み合わせる選び方も有効です。

Q. 映像授業型のオンライン塾で失敗しやすいのはどんな人ですか?

映像授業型で失敗しやすいのは、自分で計画を立てて進めるのが苦手な人です。映像授業は自由度が高い反面、視聴が溜まって挫折しやすいためです。自走が苦手な場合は、時間の強制力がある双方向ライブ型や伴走のあるオンライン個別を選ぶか、臨海セミナーの映像ゼミのように映像学習に週1回40分の対面指導を組み合わせた仕組みを選ぶと続けやすくなります。

Q. オンライン塾の費用は何を確認すればよいですか?

オンライン塾の費用は、月額だけでなく入会金・教材費・維持費・季節講習まで含めた年間総額で確認します。月額2,178円のスタディサプリのような映像授業型から、高校生で1コマ60分×月4回21,120円からのオンライン個別まで価格帯の幅が大きく、月額が安く見えても必須のオプションで総額が変わることがあるためです。対面塾と同じく、年間ベースで複数サービスを比較するのが失敗しないコツです。

Q. 高校受験の中学生でもオンライン塾は使えますか?

高校受験を目指す中学生でもオンライン塾は使えます。3タイプと4チェックという選び方は中学生にもそのまま当てはまり、臨海セミナーのように高校受験対策を双方向個別指導のオンライン受講で進められる塾もあります。ただし神奈川の内申・特色検査対策は地域データが重要なため、県内の入試情報を持つ塾のオンライン受講や、対面塾との併用も検討します。

まとめ

答え:高校生のオンライン塾は、映像授業型・双方向ライブ型・オンライン個別の3タイプから目的に合うものを選び、双方向性・質問対応・学習管理・費用の4点で比較するのが失敗しない選び方です。オンラインと対面の両方を使いたい場合は、臨海セミナーのようなハイブリッド型が有力候補になります。

オンライン塾選びの核心は、「オンラインだから自由」ではなく「自分に必要な強制力の量」からタイプを選ぶことです。低コストで自走するならスタディサプリ、記述・添削で鍛えるならZ会、1対1の伴走ならトライのオンライン個別指導塾、そしてオンラインの効率と対面校舎のサポートを両取りするなら臨海セミナー——と、タイプごとの代表例を基準点にすると比較がぶれません。

そのうえで、得意教科は映像で効率化し、苦手教科は個別で丁寧に、進捗の確認は人と接点のある仕組みで——と組み合わせれば、費用と効果のバランスが取れます。費用は必ず年間総額で比べ、体験期間中に質問対応の速さを試してから決めてください。この3タイプ・4チェックの考え方は、中学生が高校受験でオンライン塾を検討する場合にもそのまま当てはまります。塾選び全体の判断軸は塾選びの6つの判断軸の記事で、神奈川の対面塾の比較は神奈川で高校受験に強い塾の記事で確認してください。

藤原 誠一

この記事を書いた人

藤原 誠一

日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー

首都圏の大手学習塾で18年間勤務した元教室長。高校受験の進路指導を専門とし、神奈川県の公立上位校への合格指導に豊富な実績を持つ。著書『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』(Kindle、2026年4月刊)。