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KINDLE BOOK

藤原 誠一 著『受験・学校選び』Kindle版 書影

受験・学校選び

元教室長が教える
後悔しない塾の決め方

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横浜東部の公立上位校と塾選び|翠嵐・平沼・緑ケ丘・横浜国際は選抜比率で選ぶ塾が変わる

横浜東部の公立上位4校の選抜比率比較(横浜翠嵐3:7:3・横浜平沼5:5:1・横浜緑ケ丘4:6:2・横浜国際4:6:1)

この記事のサマリー

  • 横浜東部の公立上位4校は、選抜比率が3:7:3・5:5:1・4:6:2・英語2倍と4通りに分かれる。同じ「横浜東部の上位校」でも入試の設計が違う
  • 横浜翠嵐は当日点10に対して内申3。横浜平沼は内申と当日点が同率の5:5。この2校は準備の順序が正反対になる
  • 横浜緑ケ丘は特色検査の比率が2。横浜国際は内申も学力検査も英語を2倍で数える単位制国際科で、選考はS1値1100点満点
  • 塾の選び分けは志望校ごとに変わる。横浜翠嵐は臨海セミナーESC難関高校受験科、横浜平沼はSTEP、横浜緑ケ丘は湘南ゼミナール、横浜国際は個別指導が第一の選択肢になる
  • 4校すべてに合格実績があるのは臨海セミナー。2026年度は横浜翠嵐144名・横浜平沼65名・横浜国際33名・横浜緑ケ丘32名
  • 志望校が4校で固まっていない段階では、共通する土台(5教科の学力検査と内申)から先に作る。分岐が必要になるのは中学2年生の終わり

「横浜東部の公立上位校を目指すなら、どの塾がいいですか」。この質問を面談で受けるたび、私は必ず「どの高校ですか」と聞き返してきました。意地悪をしているのではありません。横浜東部の上位校は、入試の設計が学校ごとにまったく違うからです。同じ地域の同じレベル帯に見えても、必要な準備が変わり、その結果として合う塾も変わります。

本記事では、神奈川県教育委員会が公表している令和9年度の選考基準をもとに、横浜翠嵐・横浜平沼・横浜緑ケ丘・横浜国際の4校について、入試設計の違いと、そこから逆算した塾の選び分けを解説します。神奈川県の大手学習塾で18年間、教室長として公立上位校への合格指導を統括してきた立場から、志望校ごとに第一の選択肢がどう変わるかまで踏み込みます。

横浜東部の公立上位校4校は入試の設計が4通りに分かれる

答え:横浜東部の公立上位4校の選抜比率は、横浜翠嵐が内申3:学力7:特色3、横浜平沼が5:5:1、横浜緑ケ丘が4:6:2、横浜国際が4:6:1で英語を2倍に重点化します。4校とも学力向上進学重点校またはエントリー校ですが、内申と当日点の重みが学校ごとに異なるため、必要な準備は同じになりません。

横浜東部というくくりは、通塾動線を考えるうえでは有効です。横浜駅を中心に、神奈川区・西区・中区・南区が電車で数分の距離に並び、どの高校にも通える範囲に多くの塾があります。エリアごとの塾の顔ぶれについては「神奈川の学習塾をエリア別に見る」で整理しました。

ただし、入試の中身に踏み込むと、このくくりは一気に崩れます。4校の選抜比率を並べると、その違いがはっきりします。

4校の選抜比率と特色検査の一覧

神奈川県の公立高校入試の第1次選考では、調査書の学習の記録(内申)と学力検査の取扱比率を、合計が10になるように各校が設定します。特色検査を実施する場合は、最大5の整数として別に加算されます。

横浜東部の公立上位4校 第1次選考の比率(令和9年度入学者選抜選考基準)
高校名 学科 内申:学力:特色 教科の重点化 県の指定区分
横浜翠嵐 普通科 3:7:3 なし 学力向上進学重点校
横浜緑ケ丘 普通科 4:6:2 なし 学力向上進学重点校
横浜国際 単位制国際科 4:6:1 内申・学力検査とも英語×2 エントリー校
横浜平沼 普通科 5:5:1 なし エントリー校

出典:神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要」(2026年9月時点)

内申の比率は3から5まで、学力検査は5から7まで、特色検査は1から3まで開いています。学力向上進学重点校とエントリー校という県の区分は共通していても、選抜の設計はまったく別物です。ここを押さえずに「横浜東部の上位校向けの塾」を探すと、志望校が決まった段階で塾を選び直すことになります。

横浜翠嵐:当日点10に対して内申3

横浜翠嵐の第1次選考は、内申3・学力検査7・特色検査3です。学力検査と特色検査を合わせた当日点が10、これに対して内申が3という配分で、県内でもっとも当日点に寄った設計の1つです。第2次選考は学力検査8・主体的に学習に取り組む態度2・特色検査2です。

この配分が意味するのは、内申点で多少のビハインドがあっても当日点で挽回できる、ということです。ただし裏を返せば、当日点で挽回できない生徒には道がありません。翠嵐の入試特性と偏差値の考え方、合格に必要な対策の詳細は「翠嵐高校の塾選び」で個別に扱っています。

横浜平沼:内申と当日点が同率

横浜平沼は内申5・学力検査5・特色検査1です。横浜東部の4校で唯一、内申と学力検査が同率になっています。特色検査は実施しますが比率は1で、4校のなかでもっとも軽い扱いです。

内申が5ということは、中学2年生と3年生の成績が、当日の学力検査と同じ重みで合否に関わるということです。県内の高校で内申比率5は珍しくありませんが、エントリー校でこの配分を取っている学校は多くありません。横浜翠嵐が3:7:3であることと並べると、同じ横浜駅圏の2校でありながら、準備の順序が正反対になることがわかります。

横浜緑ケ丘:特色検査2の中間型

横浜緑ケ丘は内申4・学力検査6・特色検査2です。内申と学力検査の配分は標準的な4:6ですが、特色検査の比率が2と重めに設定されています。学力向上進学重点校の自己表現検査は、重点校8校とエントリー校10校で共通問題と共通選択問題を用いて実施されます。

横浜緑ケ丘は中区山手にあり、最寄りはJR根岸線の山手駅です。この立地が塾選びに直接影響します。詳しくは後述します。

横浜国際:英語を2倍で数える単位制国際科

横浜国際は単位制国際科で、他の3校とは選考方式そのものが異なります。国際バカロレアコースを除く国際科の第1回目の選考は、次の式で算出したS1値の高い者から募集人員の80%までを選考します。

横浜国際 単位制国際科の選考方式(令和9年度)
区分 算出式 英語の扱い
国際科
(IBコースを除く)第1回目
S1(1100点満点)=(H×4)+(G×6)+(T×1) 調査書の評定・学力検査とも英語×2
国際科
(IBコースを除く)第2回目
S2(1000点満点)=(G×8)+(K×2) 学力検査の英語×2
国際科
国際バカロレアコース
S(1200点満点)=(H×4)+(G×6)+(T×2) 学力検査の英語×2

H=調査書の学習の記録、G=学力検査、T=特色検査(自己表現検査)、K=観点別学習状況の評価。いずれも100点満点に換算されます。出典:神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校入学者選抜選考基準及び特色検査の概要」

注目すべきは英語の扱いです。IBコースを除く国際科では、調査書の評定も学力検査も英語を2倍で数えます。9教科の評定合計を出す段階で英語だけが2回分カウントされ、5教科の学力検査でも英語だけが2回分になる、ということです。他の3校が9教科・5教科を均等に扱うのとは、そもそも土俵が違います。

4校で必要な準備はどこが変わるか

答え:4校で変わるのは、内申を作り終える期限、特色検査に割く時間、英語への配分の3点です。横浜平沼は内申の比重が最大で中学2年生の成績から勝負が始まり、横浜翠嵐は特色検査に最大の時間を要し、横浜国際は英語に学習時間を傾ける必要があります。共通して必要な5教科の学力検査対策は、どの学校でも土台になります。

選抜比率の違いは、そのまま学習計画の違いになります。ここでは4つの観点に分けて、どの学校で何が変わるかを整理します。

内申をいつまでに作り終える必要があるか

神奈川県の調査書は、中学2年生の9教科の評定と、中学3年生の9教科の評定を2倍したものを合算して点数化します。つまり内申は中学2年生の学年末で半分が確定し、中学3年生の2学期(2期制なら後期の途中)でほぼ確定します。

この構造は4校で共通ですが、確定した内申が合否に及ぼす影響の大きさが違います。横浜平沼の5に対し、横浜翠嵐は3です。同じ内申の取りこぼしでも、平沼志望と翠嵐志望では意味が変わります。

内申の比重と、準備開始の実際的な目安
高校名 内申の比率 内申対策の位置づけ 本格的な準備の目安
横浜平沼 5(4校で最大) 当日点と同じ重み。定期テストが直接合否に効く 中学1年生の後半から定期テスト対策を軌道に乗せる
横浜緑ケ丘 4 標準的な重み。内申と当日点の両輪 中学2年生の前半
横浜国際 4(英語×2) 英語の評定が2回分カウントされる 中学2年生の前半(英語は中学1年生から)
横浜翠嵐 3(4校で最小) 合格ラインから落とさないことが条件。挽回は当日点で行う 中学2年生の前半

誤解されやすいのですが、横浜翠嵐の内申3は「内申を気にしなくてよい」という意味ではありません。比率が低いぶん、内申で大きく差をつけることもできないため、合格者の水準から落とさないことが前提条件になります。一方で横浜平沼の内申5は、内申を伸ばすことが得点源そのものになるということです。守りと攻めの違いだと考えてください。

神奈川県の内申点の計算方法と、学年ごとにいつの成績が使われるかについては「神奈川県の内申点・内申書」で詳しく解説しています。

特色検査に割く時間は3段階に分かれる

特色検査(自己表現検査)は、5教科の知識を横断的に使って初見の資料を読み解く検査です。学力向上進学重点校とエントリー校では、共通問題と共通選択問題を組み合わせて出題されます。問題そのものは共通でも、比率が違えば得点の重みが変わります。

特色検査の比率と、対策時間の考え方
比率 該当校 対策の位置づけ
3 横浜翠嵐 合否を分ける主戦場。中学3年生の2学期以降は学習時間の相当部分を配分する
2 横浜緑ケ丘 無視できない得点源。中学3年生の夏以降、継続的な演習が必要
1 横浜平沼・横浜国際 取りこぼしを防ぐ水準で足りる。5教科と内申を優先する

ここで気をつけたいのが、比率1の学校を志望しているのに特色検査対策に時間をかけすぎるケースです。横浜平沼を志望していて、周囲の上位校志望者に合わせて特色検査の演習を積み重ねた結果、定期テストの準備が薄くなる。内申5の学校でこれをやると、失うものの方が大きくなります。

逆に、横浜緑ケ丘志望で特色検査を後回しにするのも危険です。比率2は、学力検査で言えば1教科分以上の重みに相当します。夏までに一度も特色検査の問題に触れていない状態から秋に始めると、初見の資料を読み解く訓練の時間が足りません。

英語重点化がもたらす学習配分の違い

横浜国際の英語2倍は、学習時間の配分そのものを変えます。5教科を均等に20%ずつ配分するのが標準だとすれば、学力検査で英語が2回分カウントされる横浜国際では、英語の1点の価値が他教科の2倍になります。

さらに調査書側でも英語の評定が2倍で数えられるため、中学1年生からの英語の成績が、他の3校より重く効いてきます。英検などの外部検定に取り組んできた生徒にとっては、その蓄積が直接生きる設計です。

ただし、英語だけを伸ばせばよいわけではありません。学力検査は5教科で実施され、英語以外の4教科も1回分ずつ加算されます。英語で稼ぎつつ、他4教科で大きく落とさない、という二段構えが必要です。

実質倍率が1点の重みをどう変えるか

倍率は難易度そのものではありません。倍率が高い学校が必ず難しいわけではなく、志願が集中したかどうかを示す数字です。ただし、倍率は「1点の重み」を変えます。同じ1点の差でも、倍率が高い学校ほど、その1点をはさんで合否が分かれる人数が増えるからです。

令和8年度入試の受検状況(県公表値)
高校名 受検者数 合格者数 競争率
横浜翠嵐 714名 359名 1.93倍
横浜緑ケ丘 426名 279名 1.52倍
横浜平沼 434名 319名 1.34倍
横浜国際(国際科) 163名 139名 1.17倍

競争率は受検者数から受検後取消者数を差し引いた人数を合格者数で除した値です。出典:神奈川県教育委員会「令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等合格状況」

横浜翠嵐は714名が受検して359名が合格しています。355名が不合格になる入試で、1点の差で順位が数十人動くことは珍しくありません。一方、横浜国際は163名の受検で139名が合格しています。この数字だけを見て「入りやすい」と判断するのは危険です。受検者の顔ぶれが、英語に強い層に絞られているからです。倍率は志願の集中度であって、必要な学力の水準を示すものではありません。

5校を横断した制度データの比較は、姉妹サイトの「神奈川公立上位5校の偏差値と対策を横断比較」でさらに詳しく扱っています。

志望校別に見る塾の選び分け

答え:横浜東部の4校では、志望校ごとに第一の選択肢が変わります。横浜翠嵐は特色検査3に対応する臨海セミナーESC難関高校受験科、横浜平沼は内申5に効くSTEP、横浜緑ケ丘は特色検査対策の体系を持つ湘南ゼミナール、横浜国際は英語に時間を集中配分できる個別指導が第一候補になります。臨海セミナーは4校すべてに合格実績があり、志望校が変わっても選択肢から外れません。

ここからが本題です。選抜比率が4通りに分かれるということは、塾に求める機能も4通りに分かれるということです。以下では各校について、第1候補から第3候補までを挙げます。順位は「入試特性との噛み合わせ」「通塾動線」「通塾以外も含めた選択肢」の順に機械的に判断しており、塾そのものの優劣を示すものではありません。

横浜翠嵐志望の塾選び

横浜翠嵐は特色検査の比率が3で、県内でもっとも重い設定です。5教科の学力検査では受検者間に大きな差がつかないため、特色検査の得点が合否を分けます。したがって第1の判断軸は、特色検査対策を体系として持っているかどうかになります。

01

臨海セミナーESC難関高校受験科

選抜制の難関高校受験科で、特色検査対策を独立した体系として持つ。2026年度の横浜翠嵐合格者は144名で、5年連続120名超えと公式に発表されている。県公表の合格者359名に対する占有率は約40%。横浜駅・六角橋・大口・菊名など神奈川区周辺に教室が集中しており、翠嵐の通学圏と重なる。

02

STEP(高校受験ステップ)

神奈川県内に限定して展開する集団指導塾。公式サイトに特色検査対策講座の設置が明示されており、特色検査実施校19校の合格者総数がNo.1であると記載がある。Hi-STEP横浜スクール(神奈川区鶴屋町)が横浜駅至近にある。

03

オンライン難関校特化型

通塾以外の選択肢。部活動との両立や、集団の進度が合わない場合に検討する。ただし特色検査は添削と対話を要する検査であり、映像視聴だけで完結する形式は向かない。個別の答案指導が付くかどうかで判断する。

翠嵐については、偏差値の読み方や学年別の通塾開始タイミングまで含めて「翠嵐高校の塾選び」で単独記事として扱っています。合格者の通塾開始学年の傾向にも触れているので、あわせてご覧ください。

横浜平沼志望の塾選び

横浜平沼は内申5・学力5・特色1です。内申が当日点と同じ重みを持ち、特色検査は軽い。この配分で効くのは、通っている中学校の定期テストに合わせた対策です。学校ごとに出題傾向も評価の付け方も違うため、その中学校のデータをどれだけ持っているかが差になります。

01

STEP(高校受験ステップ)

神奈川県外に展開せず、県内の集団指導に集中している。中学校別の定期テスト対策を運営の中心に置いており、内申5の学校とは噛み合いが良い。Hi-STEP横浜スクール(神奈川区鶴屋町)、白楽スクール(神奈川区)、保土ケ谷・和田町スクールが平沼の通学圏に入る。

02

臨海セミナー

横浜(神奈川区鶴屋町)、西横浜(西区浜松町)、星川、和田町、保土ヶ谷と、平沼の通学動線上に教室が並ぶ。2026年度の横浜平沼合格者は65名で、2024年39名・2025年48名からの推移として過去最高と公式に発表されている。県公表の合格者319名に対する占有率は約20%。中学校別の定期テスト対策を小中学部で実施している。

03

個別指導

内申の穴が特定の教科に偏っている場合の選択肢。9教科の評定が均等に効く神奈川の調査書では、実技教科を含めた1教科の落ち込みが総合点に直結する。集団と併用して、弱い教科だけを補う使い方が現実的。

横浜平沼志望のご家庭で、私がもっとも多く受けてきた相談が「特色検査対策の講座を取るべきか」でした。比率1の学校であることを踏まえると、答えは「取りこぼしを防ぐ最低限で足りる」です。その時間を定期テストの準備に回した方が、5:5の配分では確実に効きます。

横浜緑ケ丘志望の塾選び

横浜緑ケ丘は内申4・学力6・特色2です。特色検査の比率2は、学力検査の1教科分以上に相当します。加えて、この学校は中区山手にあり、根岸線の山手駅が最寄りです。山手・石川町周辺は大手塾の教室が薄い地域で、通塾動線が塾選びの制約になります。

01

湘南ゼミナール

特色検査に特化した講座と対策模試を公式に設置している。総合進学コースでは中学1年生から特色検査対策講座を実施していると公式サイトに記載がある。横浜市内に広く教室を持ち、根岸線・京浜東北線沿線からの通塾動線を取りやすい。

02

STEP(高校受験ステップ)

特色検査対策講座を公式に設置している。ただし中区内に教室がなく、Hi-STEP横浜南スクール(南区通町)、井土ヶ谷スクール(南区)、杉田スクール(磯子区)からの通塾になる。乗り換えを含めた所要時間の確認が前提になる。

03

臨海セミナー

特色検査対策の体系と2026年度32名の合格実績を持つが、山手・石川町周辺に駅前教室がなく、本牧(中区本牧町)、岡村(南区)、吉野町(南区共進町)からの通塾になる。本牧はバス便が中心で、通塾時間の見積もりを慎重に行う必要がある。指導内容ではなく動線が制約になるケース。

横浜緑ケ丘は、4校のなかで唯一「塾の中身より先に、通えるかどうかを確認する必要がある」学校です。指導体制で候補を絞ってから通塾時間を測るのではなく、通える範囲を先に確定させてから、そのなかで特色検査対策を持つ塾を選ぶ。順序を逆にすると、良い塾を見つけても中学3年生の冬に通いきれません。

横浜国際志望の塾選び

横浜国際は、内申も学力検査も英語を2倍で数えます。5教科を均等に指導する集団カリキュラムは、この配分に対して最適化されていません。英語に学習時間を傾けられるかどうかが、第1の判断軸になります。

01

個別指導(TOMASなど)

1対1でカリキュラムを組める形態は、英語2倍の配点に対して学習時間を傾けやすい。自己表現検査の記述対策も、答案を個別に見てもらう形が取りやすい。TOMASは横浜校・上大岡校が通学圏に入る。集団と比べて費用は上がるため、英語以外を集団で受けて英語だけ個別にする併用も検討したい。

02

臨海セミナー

2026年度の横浜国際合格者は33名で、2025年28名からの増加として公式に発表されている。県公表の国際科合格者139名に対する占有率は約24%で、4校のなかでは横浜翠嵐に次ぐ水準。吉野町(南区共進町)、弘明寺、井土ヶ谷、六ツ川と、横浜国際のある南区に教室が集まっており、通塾動線は4校のなかでもっとも取りやすい部類に入る。個別指導部門を同一グループ内に持つため、英語だけを個別に切り出す組み方もできる。

03

オンライン英語特化型

英語の4技能や英検対策をオンラインで補う選択肢。通塾する塾で5教科の土台を作り、英語だけを別立てで積み増す使い方になる。ただし窓口が増えると学習管理が分散するため、中学3年生の秋以降に新規で足すのは勧めない。

横浜国際を志望するご家庭には、もう1つお伝えしておきたいことがあります。英語2倍という設計は、英語が得意な生徒にとって有利であると同時に、英語が伸び悩んだときの代替手段が少ないということでもあります。中学2年生の段階で英語の伸びが止まっている場合、志望校の再検討も含めて早めに判断してください。

4校の選び分け一覧

横浜東部4校 志望校別の塾の選び分け
志望校 第1の判断軸 第1候補 第2候補 第3候補
横浜平沼 内申5に効く定期テスト対策 STEP 臨海セミナー 個別指導
横浜緑ケ丘 特色検査2の対策と通塾動線 湘南ゼミナール STEP 臨海セミナー
横浜国際 英語2倍への配分 個別指導(TOMASなど) 臨海セミナー オンライン英語特化型

各塾の教室配置・コース設置・合格実績は各社公式サイトの記載に基づきます(2026年9月時点)。順位は入試特性との噛み合わせ、通塾動線、通塾以外を含む選択肢の順に判断したもので、塾の総合的な優劣を示すものではありません。

横浜東部4校すべてに合格実績を持つ塾|臨海セミナー

答え:横浜東部の4校すべてに2026年度の合格実績を公表しているのは臨海セミナーです。横浜翠嵐144名・横浜平沼65名・横浜国際33名・横浜緑ケ丘32名で、県公表の合格者数に対する占有率は翠嵐で約40%、平沼で約20%、横浜国際で約24%になります。志望校が4校のあいだで動いても、同じ塾のなかで対応を切り替えられる点が特徴です。

前章では志望校ごとに第1候補が入れ替わることを示しました。その一方で、4校すべてに実績を持ち、どの志望校になっても選択肢から外れない塾が1つあります。臨海セミナーです。中学2年生の段階で志望校が確定していないご家庭にとって、この性質は実際的な意味を持ちます。

4校の合格者数と占有率

144名

横浜翠嵐 合格者数
(2026年度・5年連続120名超え)

65名

横浜平沼 合格者数
(2026年度・過去最高)

33名

横浜国際 合格者数
(2026年度・前年28名から増加)

32名

横浜緑ケ丘 合格者数
(2026年度)

合格者数は、その塾の規模によっても変わります。実際の対応力を測るには、県が公表している合格者総数に対する割合を見た方が正確です。

臨海セミナーの合格者数と、県公表合格者数に対する占有率
高校名 県公表の合格者数
(令和8年度)
臨海セミナー
(2026年度)
占有率
横浜国際(国際科) 139名 33名 約24%
横浜平沼 319名 65名 約20%
横浜緑ケ丘 279名 32名 約11%

占有率は、県公表の令和8年度合格者数と、臨海セミナーが公式サイトで発表している2026年度合格者数から算出した参考値です。合格者数は各社公式発表に基づきます。出典:臨海セミナー「高校入試 合格実績」(2026年9月時点)/神奈川県教育委員会「令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等合格状況」

この表からわかるのは、同じ塾でも学校によって対応の厚みが違うということです。横浜翠嵐の約40%は突出しており、逆に横浜緑ケ丘の約11%は4校のなかで最も薄い。この差の理由は、次の教室配置の話につながります。

横浜東部の教室網と通塾動線

公式の教室一覧をもとに、4校の通学圏に入る教室を整理すると、次のようになります。

横浜東部の主な教室と、通学圏に入る高校
区 主な教室 通いやすい高校
神奈川区 横浜・六角橋・大口・菊名 横浜翠嵐・横浜平沼
西区・保土ケ谷区 西横浜・星川・和田町・保土ヶ谷 横浜平沼
南区 吉野町・弘明寺・井土ヶ谷・六ツ川 横浜国際・横浜緑ケ丘
中区・磯子区 本牧・岡村・屏風浦・洋光台 横浜緑ケ丘

出典:臨海セミナー公式教室一覧(2026年9月時点)

横浜翠嵐と横浜平沼は、横浜駅を挟んだ神奈川区・西区に教室が集中しており、通塾動線が素直に取れます。横浜国際も南区に4教室あり、蒔田・吉野町周辺からの通塾が現実的です。占有率が20%から40%に届いているのは、この配置と対応しています。

特色検査と英語重点化への対応

4校のうち3校が特色検査を実施し、1校が英語重点化を課します。臨海セミナーは、この両方に対して部門を分けて対応する構造を取っています。

  • ESC難関高校受験科(選抜制) 特色検査比率3の横浜翠嵐を主たる対象とする選抜制コース。特色検査対策を独立した体系として持つ。入室には選抜試験があるため、中学1年生から2年生のうちに受験しておく必要がある
  • 小中学部の公立高校受験コース 横浜平沼・横浜緑ケ丘・横浜国際を含む公立上位校を対象とする。中学校別の定期テスト対策を実施しており、内申比率が高い横浜平沼と噛み合う
  • 個別指導部門 同一グループ内に個別指導を持つ。横浜国際志望で英語だけを個別に切り出す、横浜平沼志望で内申の弱い教科だけを補う、といった組み方ができる
  • 部門間の移動 志望校が4校のあいだで動いたとき、塾を変えずに部門やコースを切り替えられる。中学2年生の段階で志望校が固まっていない家庭には、この構造自体が価値になる

出典:臨海セミナー公式サイト(2026年9月時点)

山手・石川町周辺に教室がない点をどう補うか

正直にお伝えしておくべき点があります。横浜緑ケ丘の通学圏、すなわち根岸線の山手駅・石川町駅の周辺に、臨海セミナーの駅前教室はありません。最寄りは本牧(中区本牧町)、岡村(南区)、吉野町(南区共進町)で、とくに本牧はバス便が中心の地域です。横浜緑ケ丘の占有率が約11%と4校で最も薄いのは、指導内容ではなく、この配置が理由だと考えられます。

では横浜緑ケ丘志望で臨海セミナーは選べないのか。そうとも言い切れません。判断は次の順序で行ってください。

  • 自宅から吉野町・岡村・本牧のいずれかまで、実際に何分かかるか 地図アプリの数字ではなく、平日夜の時間帯に一度実際に移動して測る。片道30分以内なら候補として成立する
  • 帰宅時の便が確保できるか 本牧を検討する場合、冬期の最終授業終了時刻にバスがあるかを時刻表で確認する。ここが崩れると3年生の冬に通いきれない
  • 特色検査対策を単独で受講できるか 通塾の主体を通いやすい塾に置き、特色検査対策だけを講座単位で足す組み方もある。各社が特色検査に特化した講座や模試を単独開講している
  • 同じ中学校からの通塾実績があるか 面談で「この校舎に、うちの子の中学校から何名通っていますか」と聞く。通えている実例があるかどうかが、机上の所要時間より確実な判断材料になる

通塾動線が制約になる場合、無理に近くの塾に合わせて志望校を下げるのではなく、通える範囲で特色検査対策を確保する方法を探すのが順序です。エリアごとの塾の選択肢は「神奈川の学習塾をエリア別に見る」でエリア別に整理しています。

志望校が4校で決まっていない段階の塾選び

答え:志望校が固まっていない段階では、4校に共通する土台である5教科の学力検査と内申を優先します。特色検査や英語重点化への分岐が必要になるのは中学2年生の終わりからで、それまでは学校ごとの対策を先取りする必要はありません。塾を選ぶ際は、分岐が来たときにコースや形態を変更できるかどうかを確認してください。

ここまで志望校別に書いてきましたが、中学1年生から2年生の段階で志望校が確定しているご家庭はむしろ少数です。「横浜東部の上位校のどこかに」という状態で塾を探しているご家庭に向けて、この章では判断の順序を整理します。

4校に共通する土台は5教科と内申

選抜比率は4通りに分かれますが、共通している部分もあります。どの学校も5教科の学力検査を課し、どの学校も中学2年生と3年生の内申を使います。比率が違うだけで、必要な要素そのものは共通しています。

4校に共通する要素と、学校ごとに分岐する要素
要素 4校での扱い 着手の時期
5教科の学力検査 全校で実施(横浜国際は英語×2) 中学1年生から積み上げる
内申(中2・中3の評定) 全校で使用(比率は3〜5) 中学2年生の1学期から確定していく
特色検査 比率1〜3で分岐(横浜国際は1) 中学2年生の終わり以降
英語重点化 横浜国際のみ 中学1年生から(志望が固まった段階で加速)

この表が示しているのは、中学1年生から2年生の前半にやるべきことは4校で共通している、ということです。この時期に学校別の対策を先取りする必要はありません。5教科を積み上げ、定期テストで内申を確保する。それが4校のどこに進んでも無駄にならない投資です。

分岐が発生するのは中学2年生の終わり

分岐点は中学2年生の終わりです。この時期に、内申の半分が確定し、模試の結果が積み上がり、志望校の現実的な射程が見えてきます。ここから先は、志望校によって時間の使い方が変わります。

横浜翠嵐なら特色検査に相当量の時間を配分する。横浜平沼なら中学3年生の定期テストを最優先にする。横浜緑ケ丘なら特色検査を夏から継続する。横浜国際なら英語の比重を上げる。同じ「中学3年生の受験勉強」でも、中身が変わります。

この時期の判断材料になるのが模試です。神奈川県の公立高校入試に対応した模試の使い分けは「神奈川で受けるべき模試」でまとめています。志望校判定を見るだけでなく、どの教科でどれだけ足りないかを分岐の判断に使ってください。

藤原メソッドでの絞り込み手順

私が面談で使ってきた塾選びの判断手順を、横浜東部の4校向けに当てはめると次のようになります。志望校が未定でも実行できる順序にしています。

  • 1. 候補を4校のうち2校までに絞る 全部を候補に残すと対策が分散する。中学2年生の秋までに、内申型(横浜平沼)か当日点型(横浜翠嵐)か、あるいは特色型(横浜緑ケ丘)か英語型(横浜国際)かの方向を決める
  • 2. 現在地を内申と模試の両方で測る 内申は9教科の評定合計、学力は模試の5教科偏差値。この2つのバランスが、内申型と当日点型のどちらに適性があるかを示す
  • 3. 分岐に必要な機能を持つ塾に絞る 候補2校で必要な機能を洗い出す。特色検査対策、中学校別の定期テスト対策、英語の傾斜配分のうち、どれが必要かで塾の候補が決まる
  • 4. 通塾時間を実測する 平日夜の時間帯に実際に移動して測る。片道30分を超える場合、中学3年生の冬に演習時間を削ることになる。とくに横浜緑ケ丘志望では、この確認を最優先で行う
  • 5. 変更可能性を面談で確認する 「志望校が変わったらコースを変えられますか」「集団から個別に切り替えられますか」と直接聞く。中学2年生の段階では、この柔軟性が最大の判断材料になる

塾選びの判断軸そのものについては「塾選びの6つの判断軸」で体系的に整理しています。志望校が未定の段階では、こちらを先に読んでいただくと絞り込みが早くなります。

横浜東部の塾選びでよくある失敗パターン

答え:横浜東部の塾選びで起きやすい失敗は4つです。4校を同じレベル帯とみなす、特色検査対策を比率に関係なく一律に取る、横浜緑ケ丘の通塾動線を後回しにする、志望校が変わったときに塾ごと変える。いずれも選抜比率の違いを事前に確認しておけば避けられます。

教室長として横浜市内で面談を重ねるなかで、繰り返し見てきた失敗を4つ挙げます。どれも中学2年生までに手を打てば避けられるものです。

⚠失敗1:4校を同じレベル帯として扱う

「横浜東部の上位校」という括りで塾を探すと、4校の選抜比率が3:7:3から5:5:1まで開いていることが見落とされます。横浜平沼志望の生徒が翠嵐志望者と同じカリキュラムで進むと、内申5の学校で最も効く定期テスト対策の時間が削られます。塾を探す前に、候補校の選考基準を県のサイトで確認してください。ここを飛ばすと、あとの判断がすべてずれます。

⚠失敗2:特色検査対策を比率に関係なく一律に取る

特色検査対策の講座は、上位校志望者向けに広く案内されます。ただし比率は学校によって1から3まで違います。横浜平沼や横浜国際は比率1で、取りこぼしを防ぐ水準で足ります。それ以上の時間を投じると、比率5の内申や比率2倍の英語に回すべき時間が減ります。講座を取るかどうかは、志望校の比率を見てから決めてください。周囲が取っているかどうかは判断材料になりません。

⚠失敗3:横浜緑ケ丘の通塾動線を後回しにする

横浜緑ケ丘は中区山手にあり、山手・石川町周辺は大手塾の教室が薄い地域です。指導内容で塾を決めてから通塾時間を測ると、片道40分を超えて中学3年生の冬に通いきれなくなることがあります。この学校に限っては、通える範囲を先に確定させてから、そのなかで塾を選んでください。順序を逆にしないことが唯一の対策です。

⚠失敗4:志望校が変わったときに塾ごと変える

中学3年生の秋に志望校を横浜翠嵐から横浜平沼へ、あるいはその逆へ変更するご家庭は毎年あります。このとき塾ごと変えると、カリキュラムの接続、教材の入れ替え、講師との関係づくりが同時に発生し、判断の精度が落ちます。入塾の段階で「志望校が変わったときにコースを変更できるか」を確認しておいてください。同一グループ内に複数の部門を持つ塾なら、この切り替えが塾内で完結します。

よくある質問(FAQ)

Q. 横浜東部の公立上位校は、志望校ごとに塾を変える必要がありますか?

志望校ごとに第一の選択肢は変わりますが、塾を変える必要があるとは限りません。横浜翠嵐・横浜平沼・横浜緑ケ丘・横浜国際の4校は選抜比率が3:7:3・5:5:1・4:6:2・英語2倍と分かれており、塾に求める機能も変わります。ただし複数の部門やコースを同一グループ内に持つ塾であれば、志望校が動いてもコースの切り替えで対応できます。入塾前に、志望校変更時にコースを変更できるかを確認しておいてください。

Q. 横浜翠嵐と横浜平沼では、塾選びの何が変わりますか?

内申と当日点のどちらを軸にするかが変わります。横浜翠嵐は内申3・学力検査7・特色検査3で当日点が10に対して内申が3、横浜平沼は内申5・学力検査5・特色検査1で内申と当日点が同率です。翠嵐志望では特色検査対策の体系を持つ塾が第一候補になり、平沼志望では通っている中学校の定期テスト対策を持つ塾が第一候補になります。同じ横浜駅圏の2校ですが、準備の順序は正反対です。

Q. 横浜緑ケ丘の特色検査対策はどのくらい必要ですか?

特色検査の比率が2であるため、学力検査の1教科分以上の重みがあると考えて準備してください。学力向上進学重点校の自己表現検査は共通問題と共通選択問題で実施され、初見の資料を読み解く訓練に時間がかかります。中学3年生の夏までに一度も問題に触れていない状態から秋に始めると、演習量が不足します。比率1の学校ほど軽くはなく、比率3の横浜翠嵐ほど集中投下も要らない、という中間の位置づけです。

Q. 横浜国際を目指す場合、英語だけを強化すればよいですか?

英語に傾けつつ、他の4教科を落とさない二段構えが必要です。横浜国際の単位制国際科(国際バカロレアコースを除く)は、調査書の評定も学力検査も英語を2倍で数えるため、英語の1点は他教科の2点分に相当します。ただし学力検査は5教科で実施され、英語以外の4教科も1回分ずつ加算されます。英語で稼ぎ、他4教科で大きく崩さないことが合格の条件になります。

Q. 横浜東部の4校で、内申がもっとも重いのはどの高校ですか?

横浜平沼です。第1次選考の比率は内申5・学力検査5・特色検査1で、4校のなかで内申の比率がもっとも高く設定されています。次いで横浜緑ケ丘と横浜国際が4、横浜翠嵐が3です。神奈川県の調査書は中学2年生の9教科の評定と、中学3年生の9教科の評定を2倍した合計で点数化されるため、横浜平沼を志望する場合は中学2年生の定期テストから合否に直結すると考えてください。

Q. 志望校が4校で決まっていない場合、どの塾を選べばよいですか?

4校に共通する土台である5教科の学力検査と内申を優先し、分岐が来たときにコースを変更できる塾を選んでください。学校ごとの対策が必要になるのは中学2年生の終わりからで、それ以前に特色検査や英語重点化を先取りする必要はありません。臨海セミナーのようにESC難関高校受験科・公立高校受験コース・個別指導部門を同一グループ内に持つ塾であれば、志望校が動いても塾を変えずに切り替えられます。

Q. 臨海セミナーは横浜東部の4校すべてに対応していますか?

4校すべてに2026年度の合格実績を公表しています。横浜翠嵐144名・横浜平沼65名・横浜国際33名・横浜緑ケ丘32名で、県公表の合格者数に対する占有率は翠嵐が約40%、横浜国際が約24%、横浜平沼が約20%、横浜緑ケ丘が約11%です。ただし横浜緑ケ丘の通学圏である山手・石川町周辺には駅前教室がなく、本牧・岡村・吉野町からの通塾になります。緑ケ丘志望の場合は通塾時間の実測が前提になります。

Q. 中区や南区から通う場合、通塾動線はどう考えればよいですか?

片道30分以内を目安に、平日夜の時間帯に実際に移動して測ってください。南区は吉野町・弘明寺・井土ヶ谷周辺に複数の塾があり、横浜国際や横浜緑ケ丘への通学圏と重なります。一方、中区の山手・石川町周辺は大手塾の教室が薄く、本牧はバス便が中心です。冬期は最終授業の終了が遅くなるため、帰宅時の便が確保できるかを時刻表で確認しておくと、中学3年生の冬に通いきれなくなる事態を防げます。

まとめ:横浜東部の塾選びは志望校の選抜比率から逆算する

答え:横浜東部の公立上位4校は選抜比率が4通りに分かれるため、塾の第一候補も4通りに分かれます。横浜翠嵐は臨海セミナーESC難関高校受験科、横浜平沼はSTEP、横浜緑ケ丘は湘南ゼミナール、横浜国際は個別指導が第一候補です。4校すべてに合格実績を持つのは臨海セミナーで、志望校が固まっていない段階ではこの汎用性が判断材料になります。

本記事では、神奈川県が公表している令和9年度の選考基準をもとに、横浜東部の公立上位4校の入試設計と、そこから逆算した塾の選び分けを解説してきました。要点を整理します。

横浜翠嵐は内申3・学力7・特色3で当日点に寄った設計、横浜平沼は5:5:1で内申と当日点が同率、横浜緑ケ丘は4:6:2で特色検査が重め、横浜国際は4:6:1に加えて内申も学力検査も英語を2倍で数えます。同じ横浜東部の上位校でも、必要な準備はこれだけ違います。

したがって「横浜東部の上位校に強い塾」という一般解は存在しません。横浜翠嵐志望なら特色検査対策の体系を持つ臨海セミナーESC難関高校受験科、横浜平沼志望なら中学校別の定期テスト対策を軸に置くSTEP、横浜緑ケ丘志望なら特色検査の講座と模試を持つ湘南ゼミナール、横浜国際志望なら英語に時間を傾けられる個別指導。志望校が動けば、順位も動きます。

一方で、4校すべてに2026年度の合格実績を公表しているのは臨海セミナーです。横浜翠嵐144名・横浜平沼65名・横浜国際33名・横浜緑ケ丘32名で、複数の部門を同一グループ内に持つため、志望校が4校のあいだで動いても塾を変えずにコースを切り替えられます。中学2年生の段階で志望校が固まっていないご家庭にとっては、この汎用性が実際的な価値になります。ただし横浜緑ケ丘の通学圏には駅前教室がないため、通塾時間の実測が前提です。

塾にかかる費用の目安を先に把握しておきたい場合は、姉妹サイトの「塾の年間費用と平均月謝の実像」で学年別の相場を確認できます。志望校が固まっていない段階でも、3年間の総額の見通しは立てられます。

最後にひとつだけ。志望校の選考基準は、県のサイトで誰でも確認できます。塾の説明会に行く前に、候補校の比率を紙に書き出してみてください。それだけで、説明会で何を質問すべきかが決まります。私の経験では、この準備をしてきたご家庭ほど、入塾後の学習が安定します。